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  • 執筆者の写真岩田ひでたか

エリザベス女王逝去と天皇制

最初に結論から述べさせて頂くと、日本は今後も天皇制を守り続けていかなければならないと私は考えています。

なぜなら、それがこの国の平和と安寧に繋がるからです。


さて先日、イギリス(※)のエリザベス女王こと、エリザベス2世が逝去されました。

イギリス史上、最高齢かつ最長在位の君主として君臨された女王陛下に、まずは心から哀悼の意を捧げたいと思います。


※ここでいうイギリスとは、イギリス連邦(コモンウェルス)の事で、本国(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)と連邦構成国(カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなど)から成る。


ところで現在、この世界に君主(天皇、教皇、国王、大公、首長など)がいる国はどれだけ存在するのでしょうか。

正解は43ヶ国です(うちイギリス連邦が15ヶ国を占める)。


かつてはフランス、ドイツ、イタリア、ロシア、インド、中国、その他多くの国に君主がいました。

しかし、その多くは革命や敗戦によって、その地位を追われる事となりました。

例えば、フランスのブルボン王朝はフランス革命により(その後の第二帝政は普仏戦争の敗戦により)、

ドイツのホーエンツォレルン王朝は第一次世界大戦末期のドイツ革命により、

イタリアのサヴォイア王朝は第二次世界大戦敗戦後の国民投票により、

ロシアのロマノフ王朝は第一次世界大戦中のロシア革命により、

インドのムガル王朝はシパーヒーの反乱(反英闘争)の失敗により、

中国の清王朝は列強との戦争に敗れ続けた後の辛亥革命により、君主制が崩壊しました。


イギリスのウィンザー王朝が残った理由はいくつかありますが、その主な理由の一つはイギリスが戦争に勝ち続けたからです。

同様にタイのチャクリー王朝もまた、帝国主義の時代に周辺の国々が次々と植民地化されていく中、

イギリスとフランスの緩衝地帯としての立場を利用して、巧みな外交で独立を保ち続けました。


しかし、革命が起きても、戦争に敗れても君主制が残った国があります。それが日本です。

もっとも日本の天皇はすでに平安末期以降、政治的権力を失っており、他の君主と単純に比較する事はできません。

それでも武家政権(幕府)が成立しても、明治維新が起きても、第二次世界大戦に敗れても天皇制は残りました。


しかも、日本の天皇家は神話を含むとはいえ『万世一系』- 即ち、有史以来一つの王朝(血統)がずっと続いてきました。

それが証拠に天皇家には姓がありません。

例えば、中国は歴史という点では日本より遼かに古い国ですが、何度も王朝の交代がありました。

漢王朝は劉氏が、唐王朝は李氏が、明王朝は朱氏が、清王朝は愛新覚羅氏が支配した国です。

君主制が残るイギリスやタイも同様です。

つまり、世界史的な視点で見ると、日本の天皇家は大変稀有な存在なのです。


先ほど日本の天皇は平安末期以降、権力を失ったと述べましたが、その代わりに神話の時代から続く万世一系という圧倒的な権威があります。

それは時の権力者によって利用される事もありましたが、同時に人々の敬意と尊敬を集めてきたのも事実です。

これが何をもたらすのか- 一言でいえば、国内で混乱が起きた時に最後の抑止力となるのです。


例えば、戊辰戦争において徳川慶喜は朝敵となるのを畏れ、自ら謹慎し、それが江戸城無血開城へと繋がりました。

もし幕府が徹底抗戦していたら、泥沼の内戦となり、日本は列強の植民地になっていたでしょう。

また終戦の際の昭和天皇の玉音放送は、日本の一斉降伏へと繋がりました。

もし軍部や内閣による終戦発表であれば、降伏を認めない勢力によって更なる混乱と犠牲が発生していたでしょう。

どちらのケースも普通の国では考えられない事です。


隣の某国は、民主主義の時代において未だ君主制が残る日本を「時代遅れだ」と蔑む事があります。

しかし、大統領が気に入らなければ、自ら選んだにも関わらず民衆を扇動して引きずり下ろし、そしてまた、大統領が交代する度に前大統領が悲惨な末路を辿る国にそんな事を言われたくありません。


立憲君主制の国は政治的に安定しているという説もあります。

無論、一口に立憲君主制と言っても、イギリスやタイの国王のように政治的権限が残っているケースもあれば、日本の天皇のように政治的権能を失っているケースもある為、一概には言えません。

しかし共通しているのは、任期のない君主は、たとえ国を分断するような大きな対立が起きたとしても「超越的な立場から全国民に対して語りかける事ができる」という点にあります。

また君主間の交流は、両国民間の交流と相互理解に繋がります。皇室外交がその良い例です。


即ち、天皇陛下はその存在自体によって、国民に平和と安寧をもたらしてくれているのです。

我々は千代に八千代に天皇制を守っていかなければなりません。


※写真は平成31年1月2日、明仁天皇陛下(現上皇陛下)の一般参賀に参加した時のもの

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